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また、船員の災害及び疾病発生の状況・推移を平成3年度と平成6年度を比較してみると有意の所見があると考えられる。即ち、船員数は平成3年度、13万(136,494人)、平成6年度12方弱(119,692人)である状況よりみれば、疾病、災害の発生の因子とともに高齢化による心身の諸問題も要因として否定できないものと思われる。
災害・疾病とも加齢により、増加の傾向がみられるようである。
参考?一図1〜11巻末別掲参照

 

(6)高齢者の疾病
高齢者についての疾病の様相は悪性新生物・心疾患(心筋梗塞等)・脳血管疾患(クモ膜下出血等もある)が死亡順位の上位を占めるが、船員の乗船時死亡も心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患・消化器疾患(吐血)が上位を占めているため、その対策が必要である。即ち、健康診断を受けその受診結果に基ずく医師の指示に従うこととその追跡が重要である。

 

(7)高齢者の疾病・災害の予防のための健康診断の普及と結果の活用
健康確認のために定期的に心身の健康診断を受け・健康維持に努めることは高齢者にとって必要なことである。そのために、船員保険では原則として35歳以上の船員を対象に中高年齢者健康診断を実施している。船員保険の被保険者又は船会社が船員保険会に受診申請をし、指定の医療機関若しくは船員保険病院健康管理センターの巡回検診において船員保険会の援助を受けて実施される。この制度の活用・が期待される。(巻末参考資料?)

 

a.健診結果で”要経過観察”の指示がある時
この場合には、食生活改善・体力づくりを行い健康保持に努めることがよい。なお、衛生管理者に産業看護婦のような、予防の業務も受け持たせるのもよいと考える。衛生管理者講習会の学科に組み込めば、船内での体力づくりの指導も可能になる。運動の実施に当たっては健診の身体データ・既往歴・現症等よ

 

 

 

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